極真入門40年を振り返って


 入門して40年が経った。

この40年間の間、私を支えていたものは何だろうか?
私という人間は何で出来ているんだろうか?
などと、ふと考える時がある。

私は18才で入門した時に今迄の自分と決別して生まれ変わろうと思って極真空手を始めた。 


 

 強くなって生まれ変わりたい。 いや生まれ変わらなければならないのだと。 生まれ変わらねばその先の人生はないと。
その思い、願望はものすごく強烈でその思いだけは誰にも負けないと思った。

入門して3日目で大山総裁と初めて会った。
その時大山総裁は45才。 全身から発する異常とも言えるオーラ。 人間の到達する全ての強さがこの大山総裁の中に凝縮されていると思った。
この人なら、この人の元で稽古をすれば間違いなく私は生まれ変わる事が出来ると確信した。

大山総裁の稽古は自分の持っている全てのものを出し尽くす事であった。 肉体面も精神面も何もかも持っているもの全てを出す事であった。 髪の毛1本まで、1%の出し惜しみもあってはならない。

私にとって生まれ変わるとは逃げだしたくなる様な失敗や挫折をくり返しながら、それこそ必死の中の必死になって物事に対する心構えをより強く、不退転のものに変えていくという事である。 それが今迄の自分と決別するという事である。
そしてその私という人間は何でできているんだろうかと思った時、小さな時に身につけた負けん気、大きくなったら負けじ魂、そしてハングリー精神即ち少しでも良くなろうとする向上心、この2つだとおもっている。
今も目の前に今迄見た事もない大きな壁があるが、この壁も必ず越えて見せる。

2009年12月29日