長島 義暢 初段(清水町道場指導員)
〜2019年03月03日取得〜


 
この度は、昇段審査会を受審させて頂きありがとうございました。

 私が空手を始めたのは小学校3年生の秋頃です。 始めるきっかけは、兄が空手をやりたいと父に言ったことでした。その頃、様々な格闘アニメに興味が あり、アニメの主人公のように強くなりたかった私は、空手をやれば強くなれる!!と思い、兄と一緒に 沼津香貫道場へ見学に行きました。私は、空手は瓦割りをして強くなるものだと思っていたので見学に 行き空手の印象がガラッと変わったのを覚えています。強くなりたかった私は、その日入門を決めました。

 入門したての私には準備運動も基本稽古もなにもかもが難しく号令についていくのがやっとでした。 そこで 私は誰にでもできる大きな声で返事をし、気合いを入れることを意識し稽古をしていました。すると稽古にとても集中できて徐々に稽古内容を覚えていくことができました。

 入門して半年程した時、松田師範からチャレンジカップ河口湖大会のことを聞き大会に出させて頂きました。自分の試合の順番に徐々に近づいてくると今まで味わったことの無いような緊張が全身を走りました。逃げ出したくなるほどの緊張でしたが、現実は変えられなかったので試合場に立ちました。この大会の結果は3位でした。嬉しかったのですが兄は優勝していたので悔しい気持ちもありました。 私は体が小さく、準決勝は体格の良い相手との試合で場外へはじき飛ばされ何も出来ずに敗退しました。その頃は体が小さい人が体格の良い相手に勝つなんてことは考えられませんでした。

 しかし稽古を 重ねていくなかで松田師範や安藤先生からよく褒められていた技がありました。それが左の上段回し蹴り でした。もっと褒められたいという気持ちもありミットを使った上段回し蹴りの練習はとても気合いを入れて やっていました。そして1年後の山梨県大会で、チャレンジカップ河口湖大会で負けた相手と対戦すること になり、今まで特に力を入れて練習をしてきた上段蹴りを意識して試合をすると上段蹴りで一本勝ちを することができました。体が小さかったら体格の良い相手に負けるのは当たり前だと思っていた自分を 恥ずかしく思い、体格の良い相手にも練習量で対等に戦えると気づきました。 帯が上がり、試合で上級の部に出場することになりました。

 私が青帯のときに初めて緑帯の相手と 試合をしたときにはレベルの差を感じ、全国各地の大会に出場するようになると強い選手はいくらでも いることに気づきました。 ある時から兄や妹は入賞しているのに自分だけ一勝もできなくなってしまいました。とても悔しかった です。辛い稽古をしているのに大会では毎回毎回初戦敗退で空手が嫌になってやめたくなることもとても 多かったです。試合でも負け続けていくうちに自分になにが足りないのかを考えるようになりました。 試合を思い返してみると相手の攻撃を受けるとすぐに下がってしまい、攻撃をとめてしまうこと、それは 自分の気持ちの弱さだと気づきました。練習のとき、苦手なことは手を抜いて、得意なことだけを行って いました。そこから変えていくことにしました。松田師範がいつも言われている「諦めない心」を思い出し、苦手な練習を辛くても手を抜かずに必死でやるようにしました。稽古でも諦めずにやりきると達成感がありました。

 そんなことを続けていくと二年ぶりに、試合で一勝することができ、その大会で準優勝・敢闘賞を 頂きました。それはチャレンジカップ河口湖の3位よりもなによりも嬉しかったです。 それから自分に自信を持てるようになり、練習も自分に足りない部分を見つけて諦めずに続けるように なりました。すると、大会で入賞する機会が増え驚きました。 二年間、一勝もできなかった辛く、苦しい時期があったからからだと思っています、今ではその負け続けた 二年間をとても大切に感じています。 これは、空手だけでなく日常生活や学校生活など全てにおいて すぐに諦めてしまい、マイナス思考の 私を変えてくれた時期でもあり、極真空手大石道場に出会えたことにとても感謝しています。 昇段審査を受審することが決まってからは、今まで以上に集中して稽古に臨むようになりました。辛い 稽古も乗り越えました。

 そして公認昇段審査当日、昇段審査会という初めての経験にすごく緊張しながらも、たくさんの方々の応援のおかげでなんとか集中し最後までやりきることができました。 最後になりましたが、一生懸命さを使い分けてはいけない事、諦めない心を持つことの大切さを教えて くださった、大石範士をはじめ、松田師範や安藤先生、先輩方これまでご指導誠にありがとうございました。また、世界総極真の師範方、先生方、先輩方、空手の仲間、並びに御父兄の皆様、様々な面でサポートをしてくれていた両親にはとても感謝しています。
 そして辛いときも、どんなときでも一緒に稽古をしてきた兄・寛明先輩は本当に分かり合える存在でした。ここまで成長できたのは兄の影響も大きいです。ありがとうございました。

 これからは大石道場の黒帯としての自覚を持ち、人を活かすことのできる黒帯になるとともに、何事も 一生懸命に、諦めない心を大切にしながら後輩たちに慕われる黒帯になりたいと思っています。 まだまだ未熟な私ですが、これからは身体的な強さだけでなく心の強さも求めて稽古に臨んでいきます。ご指導よろしくお願い致します。                                           押忍