潮津 英大 初段(三島徳倉道場指導員)
〜2020年03月01日取得〜


 
『子供に武道を経験させたい』

 私は幼少時代を海外で過ごし、子供の頃から日本人としてのアイデンティティーは何かを強く意識させられました。その時に、柔道、剣道、空手等に代表される『武道』というものに日本のイメージを重ねていました。時が過ぎ、学生時代はスポーツに明け暮れ、大人になり、子供が出来、子供に何を学ばせたいかを考えた時、幼少の頃に抱いた『武道』への思いが蘇り、私の学生時代に一世風靡した『極真空手』の大石道場に子供を入門させたいと思うようになりました。子供もその気になり、いざ体験入門が終了し、入門手続きを進めていた時に、子供が「やっぱりやりたくない。」と言い出しました。悩んだ挙句、「じゃあ、お父さんと一緒にやろう。」と説得したのが、私が大石道場に入門するきっかけとなりました。

 当時、一般部は大石範士が直接指導され、空手の基本、心構え、極真空手の歴史、範士自らの経験等、様々なことを御指導いただきました。大山総裁から伝承された真の極真空手を範士から直接学べたことは、私にとって貴重な時間でした。

 三島への引っ越しに伴い、三島徳倉道場に稽古の場を変え、尾高先生に御指導いただくようになりました。先生は空手のみならず、トレーニング方法に関する知識が豊富で、空手の基本に加え、様々なトレーニング法を取り入れた稽古で心身を鍛えていただきました。
 また、昇段審査を受ける際は、「黒帯はもらうものではなく、自分で取りに行くものです。」という心構えと極真の型については『強さ』の重要性を徹底的に御指導いただきました。敵を想定し、全力で受け、全力で返す。型で抜く所は1つもない。指先まで意識することを何度もご指導いただきました。

 この度、大石範士、尾高先生、諸先輩方、道場生の仲間、父兄の皆様のご指導、ご協力のおかげで、ここまで続けることができ、自分自身を成長させ、初段になることができました。特に自分を『極地』に追い込むことは、先生をはじめ道場生の仲間の協力なしにはできませんでした。皆さんに感謝すると共に、今度は周りの力を引き出せるようサポートしていきたいと思います。

 入門当初に大石範士に言われた「黒帯になってからが極真空手の本当の意味での始まりですよ。それまでは、基本を学ぶ期間です。」の極真のスタートラインにようやく立つことができました。これまで学んできた基本をベースにこれからも極真の道を歩んでいきたいと思います。

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