杉山 務 初段
(西平松道場指導員)
〜2025年03月23日取得〜


 
はじめに、この度の昇段公認審査会への受審の許可をいただきましたことを大石範士に深く御礼申し上げます。

 僕が空手を始めたきっかけは、先に入門していた息子の稽古を見学している時に、見様見真似でなんとなく回し蹴りを蹴っていた僕に尚弥先輩から「上手ですね!是非一緒にやってみませんか?」と声を掛けてくださったことです。元々身体を鍛えるのが好きでしたし、やはり男ですから昔から極真空手への憧れはありましたので迷わず入門させていただきました。

 性格的に良くも悪くも手を抜く事ができないので、基本稽古が終わる頃には体力を使い果たしてしまい、組手をする時にはもう立っているのがやっとの状態でした。 あれから年月は経ちましたが、今でも基本稽古が終わればヘトヘトで白帯の頃からあまり変わっていないのかもしれません。 しかしそんな僕に対して先輩方が「基本稽古で疲れ果てて倒れても、それはそれで良いことなのです。普通はそうならない様にみんなセーブしてしまうものなのです。全てを全力でやるって凄いことですよ!」と褒めてくださいました。それ以来、手を抜くことはせずにとにかく全身全霊で稽古に励んできました。

 そのおかげもあって大会でも結果を残すことができ、所属道場以外の師範、先生、先輩方からもお褒めの言葉をいただける様になっていきました。顔と名前を覚えてもらい褒めていただける事はとても嬉しく光栄で、僕が空手を続ける原動力のひとつとなっております。
 近年では焼津みなと道場の田平先生、吉永先生、齋藤先輩が音頭を取り、西平松道場でシニア稽古会を定期的に開催していただいております。そこには前述した先生方に加え、安藤先生や長谷川先生、その他にも大石道場の錚々たるメンバーが揃っています。最初は恐れ多くて話す事もできずにいましたが、稽古を重ねるに連れて親しくさせて貰える様になりました。僕よりも年上の方々の上手さや強さ、そして何よりも大石道場への愛を感じました。そして沢山の大事なことを学ばせていただきました。

 第二回総極真世界大会へも出場させていただきました。そこでは尊敬してやまない長谷川先生、吉永先生、尚弥先輩、尚人先輩、快先輩と同じ舞台で戦えたことをとても光栄に思います。 大会へ向けての逃げ出したくなるような厳しい稽古も、皆さんと一緒だと思えば乗り切ることができました。本当に貴重な経験をありがとうございました。僕が沢山の黒帯の方々と懇意にさせていただき感じた事は、強くて優しくて、相手のことを想うことで厳しくできる愛を持っているということです。
 皆様の影響を受け、僕もいつしか黒帯を目指す様になりました。 そして自分が受けてきた恩を今度は後輩へ繋いでいくことが僕の責務であり、極真空手の伝承なのだと思います。 大石範士の、「稽古をすると決めたなら、そこが何処であっても道場になる。」という言葉を胸に、常日頃から何かを意識しながら生活をしています。そういった意味では稽古を欠かしたことは無いと自負しております。

 公認審査会に向けてしっかりと準備をしてきたつもりでしたが、組手では三人目くらいから身体が動かなくなり、もう無理かもしれないと頭をよぎりました。そんな時にすぐ近くで背中を押して、厳しい激を飛ばして下さった杉本先生、吉永先生、本当にありがとうございます。 連続組手で対戦してくれた皆様、会場で激励の声を掛けてくれた方や大きな声で応援してくれた皆様に感謝しています。

 僕は本当に人に恵まれていると思います。道場では橘師範から極真の魂を教わり、尚弥先輩、尚人先輩、快先輩といった現役の王者の方達からの指導を受ける事ができます。 紹男先輩や尊先輩の様に頼りになる先輩と、共に成長し切磋琢磨し合える子供たち、道場の為にサポートしてくれる父兄の方々。シニア稽古会では大石道場を繋いでこられた先生、先輩方と多くの縁を持つことができました。そして追い込み癖のある僕が安心して稽古に打ち込める環境を作ってくれる妻と、稽古中には誰よりも厳しく接してしまう自分に必死でついてきてくれる息子たち。僕たちは家族であり戦友であると思っています。

 昇段のお許しをいただき初段となりましたが、ここからが本当の空手道のスタートだと実感しております。黒帯で有り続ける為に、そして大石道場の黒帯として恥じぬ様、本物の筋金入りになるように精進して参ります。この度は大変ありがとうございました。これからも宜しくお願い致します。

 押忍