大柿 龍義 初段(宇都宮道場指導員)
〜2019年03月03日取得〜


 
大石範士、この度は、総極真公認昇段審査会を受審させていただき、そして初段の段位いただきありがとうございました。

 私が極真空手を習い始めたのは、幼年の年長のころです。父と姉が稽古をしているのを見て、自分も空手をやりたいと思い、大石道場栃木支部に平成17年3月3日に、5歳で入門しました。 しかし、やり始めた頃は、稽古が辛くて、組手で年上の先輩にやられ、初めての大会では、大勢の人が見ている中で、知らない選手と組手をするのが「緊張」と「恐怖」でとても嫌で空手が嫌いになった記憶があります。しかし、大会で勝つと、とても嬉しく、周りの道場生や父兄の人から褒めてもらうのがうれしくなり、大会で優勝してみたいと思うようになりました。

 そして一生懸命に稽古に取り組むようになりました。一時、部活との両立が難しくなり道場から離れる時期もありましたが、もう一度、極真空手をやりたいと思い父に相談しました。父に「弱音を吐かず、全力で稽古をやるなら」と言われ復帰することにしました。復帰後、多くの大会に挑戦しましたが少年部(小学・中学)時代との力の違いを感じました。

 今回、昇段審査会を受審する事になり、3年前の父の昇段審査をみて昇段する厳しさは知っているのでより一層、稽古に取組みました。本部道場へ出稽古に行き、日下部先輩にしっかりと型を教えていただく事ができました。
 しかし、昇段審査会では、基本稽古、型を全力でやり、しっかりと出来たと思ったのですが10人組手では、腹を効かされ何度も倒れてしまう形になってしまいました。とても情けなく悔しい気持ちになり翌日、大石範士に「もう一度、10人組手をやらせてください」とお願いしたところ、「一週間後の審査会に来なさい」と言ってくださり、もう失敗は許されない状況をつくり、必死に腹筋、サンドバッグを一週間やり続けました。そして、東部地区審査会に割り込む形で10人組手をさせていただく事ができました。組手の最中には、師範、先生方、選手の方々に、たくさんの応援、アドバイスの声をいただき10人組手を完遂することができました。

 昇段審査を終え、思ったことは多くの人たちの協力がなかったら自分は、黒帯になれなかったと思います。本部道場への稽古や審査会場に連れてきてくれた両親、10人組手の対戦者の方々、応援をしてくれた道場生、父兄の方々などの協力があったから黒帯になれたと思い、これからもしっかりと稽古に取組みたいと思います。 大石範士に「極真の黒帯は、周りに信頼されるようになれ」「どんな相手に対しても、礼儀に差を付けない黒帯になれ」と教わりました。その言葉を忘れずに、これからも正しい極真空手を道場生に教えられるように稽古に励んでいきたいと思います。 押忍