河崎 尊 初段(西平松道場指導員)
〜2022年03月06日取得〜


 
この度は、大石範士に昇段審査受審の機会をいただき、深く感謝申し上げます。泣き虫な小学生だった自分が今回、昇段出来たと思うと感慨深いものがあります。

 初めはただ、泣き虫な自分を変えたい、そんな気持で稽古体験に向かいました。初めて見る空手の稽古は、素人ながらにも分かる厳しさでした。しかし、同時に同年代の子達が厳しい稽古を耐え抜いている姿に、憧れを感じました自分もあの子達の様に強くなりたい、その一心で極真空手の世界に足を踏み入れました。

 小学生の頃は運動神経も悪く、大して動ける身体でもなく、稽古についていく事で精一杯でした。初めての大会では一回戦負け。その後、何度も一回戦負けを繰り返し、その度に心が折れそうになりました。それでも自分は、大石範士が仰られている「努力は無限。継続は力なり」の言葉を胸に、稽古に打ち込みました。すると、段々と結果を残せるようになり、自分の動きが変わっている事も実感しました。その頃から、空手が楽しくて仕方がなくなり、空手に引き込まれていきました。

  中学生からは、周りの友人達が部活動に励んでいる中、自分は外部活動として空手を続ける選択をしました。中学生になり空手を辞めていく同学年の仲間も多く、寂しくもありましたが、自分はそれでも頑張るんだ、という気持ちでただひたすら、稽古に没頭していました。
 中学一年の年末、今迄稽古に励んでいた静岡東道場が終わりを迎え、新たに西平松道場に移籍になりました。西平松道場は常設道場な上に、日下部尚弥先輩、日下部尚人先輩が指導してくださるという事もあり、期待が大きかった反面、新しい道場で上手くやっていけるかという不安もありました。今思えば、この時が自分の大きな分岐点になったと思いました。今迄以上に厳しい稽古、新しい先輩や後輩と沢山稽古に励むことで、自分はどんどん成長している様に感じました。自分は負けず嫌いで、稽古も一番全力、気合も一番大きくと、何でもかんでも張り合ってしまうところがあります。
 西平松道場には、切磋琢磨出来る仲間が沢山いて、自分に適している道場だと思います。そんな空気感を作ってくださる尚弥先輩。尚人先輩には、ただただ敬服するばかりです。そんな先輩を追い続ける事で、自分の中で黒帯という存在が大きくなっていきました。自分も黒帯になりた、と思う様になり、日々の稽古をより一層頑張るようになりました。

 高校生になり、自分は黒帯なる為に、道場でも家でも様々な稽古をしてきました。自分を甘やかさず厳しい稽古ばかりでした。しかし、それらを耐え抜くことで、自分には強い気持が身に付いていったと思います。そして今回、昇段することができ、今までの稽古は無駄じゃなかったんだと感じると共に、やはり、「努力は無限、継続は力なり」なのだと、身に染みて感じました。

 黒帯というのは、空手の人生において一つのゴールであると同時に、一つのスタートラインであると自分は考えています。これからは後輩達に、自分の今までの経験を活かして様々な事を伝えていかなければなりません。自分はまだまだ未熟で、学ぶべき事も沢山あります。大石範士や橘師範、尚弥先輩、尚人先輩から多くの事を学び、立派な大石道場の黒帯となるよう、精進してまいります。
 最後に、大石範士、橘師範、尚弥先輩、尚人先輩を始め、温かい声を掛けてくださった先生方、応援して下さった先輩方、後輩達、毎日見守ってくれた両親ならびにご父兄の皆様、本当にありがとうございました。

 押忍