竹田 健一 初段(静岡美和道場)
〜2009年4月5日取得〜


「強さの中の空手」

 この度は昇段審査の機会を与えていただきましたこと、心からお礼申し上げます。

 自分が空手を始めたのは、5年8ヶ月前に道場のポスターを見たのが始めでした。
 運動で体を動かしたいなどという気持ちもありましたが、昔から気が弱いというコンプレックスがあり、 それは武道をすることで直せるのではないかと考え、直ぐに連絡をさせていただきました。 そこで海野師範に「やりましょう」といっていただき、その時の入門誓約書には「強くなりたい」と書いて 入門したのを今でも覚えています。
 それからは、仕事や日々の生活との空手の両立の日々が続き自分なりに毎日一つ一つ真剣に取り組ませていただきました。
 そこで海野師範には空手の技術だけでなく、「弱い心に打ち克つ」「どんなときも下を向かない」などの空手以外でも通じる物事に 対する考え方を頭だけでなく心でも学ばせてくださったこと今でも感謝しております。
 また「強くなりたい」と、審査会を受けさせていただいたり、試合に何度も出場したりしました。 しかし、級が上がったから、試合に勝ったから「強くなれる」のではなく今思うと稽古においては「何度も今日休んだら楽かな」 「今日は少し手を抜いても良いかな」と思ったり、試合においては「ここで少し手を休めたら楽なのに」と考える中で頑張って 続けて来れたことのほうが「強くなれた」ように感じます。
 また最近では指導の補助などもさせていただき、後輩に指導しながら「自分も気をつけないと」また後輩の頑張っているのを見て 「自分ももっと頑張らないと」、そして少し手を抜いている後輩を見ると「見本になれるよう頑張らないと」と自分を見つめなおす こともでき、自分を客観的にみえ、また指導する際また大石最高師範や海野師範の言われるお言葉、立ち方、姿勢を思い出し どれだけこれらのことが大切かしみじみ感じておりました。  このようなことは「強さ」とは全く関係の無いものだと考えておりましたが、自分以外について考えていく中にこそ「本当の強さ」が あるのではと最近感じております。

十人組手では、悔いは残したくないと精一杯やったのですが、4人目辺りからは体も重くなり動かなくなってきました。 「まだ半分もあるのか」「ここで止めたら楽かも」などの考えも頭をよぎり本当に辛いものでしたが、そこに師範のお言葉や先生、 先輩方のアドバイス、後輩や父兄の皆様などの声援が聞こえ、少しずつ力をいただき、何とかやり遂げることが出来ました。 今思っても一人だったら逃げたり、下がったりしてこんな十人組手は出来なかったと思います。
 本当にありがとうございました。
 まだ、入門当初から考えている「強くなりたい」の答えははっきりと見つかってはおらず、はっきりとした答えのあるものでは ないのかもしれませんが、大石最高師範や海野師範のお言葉や姿勢、先生・先輩方のアドバイス、その他の皆さんとの出会いなど 大切にし、そして日々精進していくことにより、いつか自分なりの強さを見つけしっかりとした言葉にしていけるように 頑張りたいです。

 この度は昇段の機会をいただき大石最高師範、海野師範、先生や先輩方ならびに空手で出会った皆様方、本当にありがとう ございました。
 まだまだ若輩者ですが、これからもよろしくお願い致します。

押 忍