田口 晴久 弐段(加古川道場指導員)
〜2022年03月06日取得〜

 


 
この度は、公認審査会受審の機会を与えていただきました大石範士に心から感謝いたしますとともに、弐段の昇段をお許しいただきましたこと重ねてお礼申し上げます。

 今回の公認審査会を受けるきっかけとなったのは、初段の許しを得てから約6年となる昨年末、吉崎支部長から弐段の受審を進められたことでした。 当時の私は、60歳で定年退職を迎えた後、精神的にも体力的にも衰えを感じ始めていたことから、直ぐには決心がつきませんでした。 しかし、ここで諦めてしまえば、一生悔いが残るのではないかと思い直し、とにかくもう一度自分を鍛えなおしてみようと思い、今まで以上に稽古に積極的に出席し、稽古のない日も自主稽古に励むようにしました。

 すると、今まで何の疑問も持たずに行っていた稽古に、何か言葉では言い表せない新しい気付きがあり、「今まで私が行っていた指導が心ならずもなおざりになっていたのではないか」、「道場生を指導するためにも、自らが向上心を持って成長していかなくてはいけないのではないか」と反省もしました。 そうして臨んだ審査会でしたが、会場に入ると、これから始まる、基本、型、補強、二十人組手とすべて完遂できるか一気に不安になってしまい、結果、体が思うように動かず、自分としては稽古してきたつもりの型でしたが満足にできませんでした。
 その時、大石範士から「60歳という年齢を自分の逃げ道として、自ら壁を作ってはいけない」、「蹴り足も高く上がらなければ、上がる高さで力一杯蹴らなくてはいけない」等厳しくも暖かいご指導を受けたのでした。
 その後、何とか補強運動を終え、二十人組手となったのですが、型の失敗を取り返すためにも、一人目から積極的に攻めていこうということを心がけ、苦しいながらも周りの方々からの応援にも支えられ、何とか完遂することができました。

 今回の公認審査会で私が得たものは、「まだまだ未熟、老けるのは早い。あきらめない心を取り戻し、もっと稽古を積み、大石道場の弐段に相応しい指導員にならなくてはいけない」との決意でした。
 今回の受審にあたり、私の稽古を見守りご指導してくださった吉崎支部長並びに指導員の方々、また、道場で一緒に汗を流し、稽古終わりに夜遅くまで私の組手稽古に付き合ってくれた道場生の皆様、更には、二十人組手の相手をしてくださった大石道場の先輩の方々、応援してくださった方々にもお礼申し上げたいと思います。

 今後も自らの稽古を怠ることなく、道場生の前に立ち模範を示すことができる指導員となり、大石道場兵庫支部の発展に微力ながらも貢献していきたいと思います。

押忍