橘 直人 五段(大石道場職員・内弟子)
〜2016年03月16日取得〜


 
この度、世界総極真公認昇段審査の受審機会を与えて下さった大石範士、誠にありがとうございました。

 およそ24年前。京都から静岡にやってきて、まさしく右も左も分からないまま、まずやった事は、パワー空手(当時の極真空手の月刊誌)に掲載されていた静岡支部の電話番号に掛けて、静岡市の道場の所在地を聞く事でした。「竜南小学校というところのすぐ近所にあるよ。小学校まで来ればすぐに分かるから。見学に来ればいいよ」と、電話に出た人は教えてくれました。本屋で地図を買い、竜南小学校を調べて、その日の内に原付バイクで竜南道場に辿り着きました。そして、その電話での会話が、大石範士との初めての会話でした。

 大石道場に入門して24年目。大石道場職員としての13年目である平成28年。昇段審査を受ける事になりました。常々、極真空手の段位の意義・重み・その価値を範士から教わり、自分なりに全力で稽古・指導を行ってまいりましたが、今回の受審は「四段から五段への審査」つまり、『先生から師範』への審査となる為、より一層、気持を引き締めて稽古に励みました。とは言え、四段審査の際にも範士からご指示頂いたように、奇をてらった事はせず、決して焦らず、普段からコツコツと積み重ねをして挑むようにしようと思いました。

 今回の審査にあたり、自身の受審はもちろんですが、弟子と一緒に審査を受けることになったのが、自分としましては大変意義があり、嬉しいことでした。鴨田恵さん(清水レオリブレ道場)と林歩希君(菊川道場)の二人です。共に、自分が道場職員になった直後に入門した、自分の職員としての姿を一から見ている道場生です。そして、自分が職員として、初めて昇段審査を受けさせる生粋の弟子です。審査会の当日、範士が「二人は私から見て孫弟子だ」と仰って下さったことは、本当に感激いたしました。

 審査の直前、範士から「いつもと変わらず、全力でやればいい」と言われました。また、審査を終えて、合格のお話しを頂いた際も、「今日から師範だからな。まあ、今迄と変わらず一生懸命やればいいよ」と言われました。常に向上心を持ち、何事にも全力で取り組み、範士のお言葉を拝借すれば『一生懸命の使い分けをしない』ことを旨とし、極真空手大石道場の普及発展に努める。やるべき事や思いは審査前と変わりませんが、これからは「師範」という名が、自身に付いてきます。その一挙手一投足、言葉、空手の技量力量に「師範」としてのものを問われます。「師範」というものはそれほどの価値があるものであり、大きな責任も伴うものだと思います。

 入門以来、変わらず厳しくご指導下さる大石範士。改めて自身の第一歩に立ち返り、極真空手大石道場の師範としての道に精進していきたいと思います。

 師範方、先生方、先輩方、後輩達、父兄の方々。現在は道場から足が遠退いていても、励ましのメール等を送ってきてくれたり、当日の応援に来てくれたりした多くの道場生達。私事を差し置いても、毎週のように定時に、稽古に付きあってくれた静岡南道場の林さん、稲葉七星さん、稲葉魁士君。連続組手の掉尾を飾って下さった柴田師範。数多の方達の思いを受けて、「師範」となれたのだと思います。ありがとうございます。

 押忍