鈴木 利幸 初段(清水町道場指導員)
〜2020年03月01日取得〜


 この度、公認審査会を受審させて頂き、また初段位を授かりありがとうございました。

 一年ぐらい前に松田師範から「今年は一級を取ろう、そして次の公認審査会も受けて黒帯も取ろう。大変だけと頑張って。」と言われました。この時、黒帯が手の届く所にきたと実感しました。それと同時に高揚感と不安感が入り混じった気持ちが全身に巡りました。

 まずは一級の合格を目指し稽古に励みました。一級は型の審査、組手に比べると苦手意識はありました。結果を先に言うと一級の審査は2回不合格で3回目合格することができました。この時はいろいろ悩む日々が続きました。自分には何が足りないのか、空手に向かう姿勢がどうだったのか、これが限界なのか、本当に空手が好きなのか、自分にはその才能がなく不可能なのか。悩んでもその時には答えはでませんでした。

 一級の合格の後も同じでした。公認審査会はもっと厳しくなる、でも前に進むしかない、自分に後退はないと言い聞かせ稽古を続けました。他の道場に出稽古に行き、先生や先輩方から違う視点で型を見直しでもらいました。道場稽古がない日も一人で道場に行き型の練習を続けました。補強や10人組手の為のサンドバックの打ち込みも今まで以上にやり込みました。加えて自分の体調管理にもいつも以上に気をつけヘルニアや坐骨神経痛が出ないように心がけました。今思えば、この体調管理が稽古と同等以上に大事だったと思います。ベストのコンディションで審査に臨むことができました。

 公認審査会当日は少し緊張しましたが、自分でも驚くほど落ち着てできたと思います。自分を信じ、失敗を恐れずやりました。大石範士の号令の下で基本→型→補強→組手と時間が経つのを忘れこなしてきました。終わってみると、松田師範や安藤先生から「型うまくなったね」「いい審査会だったね」と過分なる言葉を頂きました。何よりも嬉しかったです。 初段合格の知らせを聞いた時は溢れる喜びとほっとした気持ちもかなりありました。ようやくここまで来た、これが一つのゴールであると同時にこれから新たなスタートが始まる。

 そして、自分が悩んでいた事の答えがはっきりと出ました。自分に足りなかったのは単純に稽古量であり、限界はなくそれを超えていかなければならない。努力することが才能であり、不可能は自分に対する言い訳に過ぎず、可能性であり通過点である。自らを変化させなければいい結果は生まれない。変化には必ず苦痛が伴う。2回の不合格を経験したからこそ今の自分がある。この2回の不合格とうい点を線で繋いだ先に初段位がありました。

 最後にこれまでご指導、応援して頂きました、大石範士、松田師範、安藤先生、伊豆の国道場の鍋田先生、諸先輩方、道場生の皆様、本当にありがとうございました。これからも宜しくお願いします。
押忍