柴山 尚道 弐段(静岡東道場)
〜2008年2月24日取得〜


 今回、全日本極真連合会の公認昇段審査を受けさせていただき、弐段となることが出来ました。 ありがとうございました。極真カラテに入門して10年になりますが、これも、入門間もない時期に出稽古で初めて お会いした大石代悟主席師範のお話の中で『弓の糸は常に張っておくものではなく、いざ鎌倉の時に張れる心構えを持ち、 また、楽しみを持って稽古せよ』と聞かされ、心・体にゆとりが出来、楽になった事が今日まで継続が出来た大きな理由であります。
 私と極真カラテとの出会いは、健康と精神力の長期継続が目的でありました。 しかし、入門の目標設定は、それぞれの違いがあれ、強くなりたいと言う気持ちでは一致するのでしょう。 そのために、お互い精進し稽古を励んでいるのです。 黒帯を5年前にいただき、帯に恥じないようにと思いながら、出口の見えない迷路に入り込みもがいた時期もありましたが、 帯は実力があるからではなく、帯にふさわしい実力をつけるように努力し、その入り口に立つ事にあると気づいたのです。 そんな時期に「才能なくとも熱意にまさる才能はない」と言う言葉を聞き、これは私に言い聞かせてくれているのかと思い、 その日より還暦は無いものとし、黒帯の入り口に立ち、結果に拘らず精進し稽古に挑戦して1本の金線をまっとうする決意をするものでした。 同時期に、草薙道場を大石主席師範のご配慮により、我が道場生に使用許可を頂き、特に自主稽古に多くの時間を先輩・少年部、又、 多忙な時間を削って自主稽古を御指導して下さいました。朝波順策(四段)先生との中身の濃い稽古が出来た事が短かな一歩であるが、 私には大きな自信の一歩になりました。
 しかし、多くの試合を重ねていくうちに、負ける結果、内容が悪すぎるのか次は見合わせるようにアドバイスを外部より頂いた時も ありましたが、しかし、この励ましの言葉があったからこそ良い結果を残してこれた一因であった。 公認昇段審査を受けてみようと受け入れる気持ちが起きたのではないかと感謝しております。 とはいえ、公認昇段審査は、昨年見学をさせていただいて、その凄さは口には言えない程でした。 未知の20人組手。基本・移動・型・補強の審査が完遂出来るのか常に頭から離れることがなく、逆に、日増しに強くなり 不安な日々が続き、不安を補うための稽古をすればするほど増幅していく日々でした。
 【目標に挑んで失敗してもあきらめない心があれば、次なる道を示してくれます。それに向かって努力する。 努力することによって自分のもつ無限の可能性を切り拓く事ができます。】また、【武道の本質的な目標は、失敗を恐れず、 全力で行う事によって自分の力を高めていくことなのです。】真伝ムラマサの蹴り、著者大石代悟主席師範を見まして挑戦する 気持ちが強く生まれてきました。
 当日は、息が上がり、何処となく体が重く、疲れが出てきているのです。基本・型も他人の身体を借り写しているかのように、 汗だけが吹き出てくるのです。特にいくつかの基本の移動稽古では、即、反応が出来ませんでした。しかし、翌日に 一人で移動稽古をしてみますと出来るではありませんか。 初めて即・体験する順応性の悪さを痛感させられました。技術・体力・精神力どれを取ってみてもまだまだ足りない部分が あることを再確認させられました。この大きな宿題のテーマを大石代悟主席師範が出してくださったと思い、稽古内容・質を 考え頑張って前進したいと思います。組手におかれては、極真魂を持った受審生と汗を流し肌と肌とのぶつかり合う素晴らしい 体験を通じて極真カラテの存在している中に私がいることに感謝したい。特に廣瀬登先生との相手をさせていただいた時には 偉大さに緊張してどうしてよいのかわからずに時間がたってしまいました。私にとっては一生に残る思い出の1番で素晴らしい体験を させていただきました。今回、完遂出来ましたのも、体力・技術に不安を多く持つ中、先輩に引っ張って頂き少年部には、後押しをしていただき、 また、焼津道場生の先輩方が度々来静くださり胸を出し稽古をつけ御指導くださったことは本当に感謝にたえません。 これなくして、今回の完遂はなかった事と思います。又、今日、完遂出来ました一番の要因は、朝波順策(四段)先生との出会いにつきます。 旬を過ぎた私をいつも温かくも冷たくも交えながら、また、心が折れそうに弱くなった時には不思議なパワーを与えてくださいまして、 引っ張ってきてくださいました朝波先生です。 今回も受審生よりも先生が一番気合を入れて、一番気を使ってくださり、自分自身が受けるのではないかと思うくらい 力強い稽古・御指導下さりながら引っ張ってきてくださいました。極真カラテ魂をお持ちの朝波先生という素晴らしい先生との出会いに つきるのではないでしょうか。また、今日、完遂出来ましたのも極真カラテの活動に一番の理解者であり常に私の食生活・日常生活を 通じて健康を管理して常にベストの体調で稽古に臨めるように心配りをしてくれた良き妻に感謝したいと思っております。
 この審査の経験を無駄にすることなく、これから人生に生かせていけたらと思っております。

押 忍