大柿 義輝 初段(栃木支部)
〜2009年2月15日取得〜


 この度は、昇段審査を受審させていただきありがとうございました。
 私は、昨年2月の昇級審査会を見て、型、移動稽古、補強の厳しさ、最後には、極真空手の荒行で ある組手を実際に見て、自分には「まだまだ先の話、黒帯などむりむり」と思っていました。そもそも、 私が極真空手を始めたきっかけは平成15年8月で、それまでの私の生活パターンは家と会社の往復 と会社帰りの酒飲み、家に帰ればただの酔っぱらいで毎日の様に妻に小言を言われている典型的なダメ おやじ状態でした。しかし、心の中では、何かをやりたい、何かやらなくては、このまま男として 父親としてだらしの無い格好を子供達に見せてはいられないと考えていた矢先に、知人に誘われ、 大石道場栃木支部に見学、体験入門しました。その時、見たものは、激しい突き、蹴りと、終わった 後の礼で、厳しく、礼儀正しく、これだ、私の求めていたものは、これなんだ、これなら、まず自分で やってみて子供達にも厳しさと礼儀正しさを教えられ、わかってもらえるのではないかと思った。

その二週間後には、毎月一度、沼津から遠い宇都宮まで、直接稽古のためだけに来られた、大石代悟 主席師範と初めてお会いする事になったのです。私は、まだ道着がなく運動着で稽古していましたが、 準備体操、基本稽古の一つ一つの動作の意味を初めての私でも解りやすく説明しながら稽古を続けられ、 私もこれまでにないほどに全力でやってみました。平成15年9月7日で、その日が極真会館大石道場 正式入門でした。
 入門当初は、基本稽古で息が上がりふらふらになり、組手では、目が眩み息が出来ない状態でしたが、 週一回の稽古も二回、三回となり、東京支部へ出稽古に行かせていただく頃には、体力も少しではあるが ついてきました。平成19年7月には、大石主席師範の御力添により道場生全員の念願であった道場も 常設となり、昼夜自主稽古が出来る事となり、20年2月の審査会で栃木支部発足時より稽古をなされ ていた二人の先輩が初段の許可をいただきました。その直後に大石主席師範と電話でお話しする機会が あり、その時に、「来年の審査会では、茶帯になって一年経ち受審できます。鉄は熱いうちに打て」と 御言葉をいただき、今回の審査に向けて一年間、稽古を続けてまいりましたが、上級者合宿では、 型の覚えの悪さ、組手ではスタミナの無さを実感し、こんな私が昇段審査を受審する資格も無い、 まだ早いと、自問自答を繰り返しました。しかし、昨年10月栃木支部昇級審査終了後、大石主席師範 より、「昇級審査は、きついですけどがんばってください」と言われ、これは絶対にやらねばならない と決意し、先輩方の励まし、稽古終了後、日曜日ごとに型の稽古を先輩と一緒にやり、昇段審査に 臨みました。型の審査では息が苦しくなり、組手では途中、突きを効かされあきらめの様の気もしたが、 今までの稽古は無駄ではないんだ、最後まで全力でやるんだと、道場生全員との苦しい稽古を思い、 乗り切る事ができました。
 今回、初段の許可をいただきましたが、これを極真空手道への出発点とし、決して後には下がらない 信念を持ち、本物の筋金入りの男になる様、道場はもちろん、実社会でも極真の黒帯を汚す事のない様、 前に進んでいきます。
 最後に、今回の受審を御許しくださいました大石主席師範、一緒に稽古をしてくださった道場生の 皆様、休みの度に自主稽古に向かう私を、気持ちよく送り出してくれた妻に、心より感謝いたします。

押 忍