小田 祥子   初段(富士宮道場)
〜2018年2月11日取得〜


 この度は、公認審査会受審の機会を与えて下さり、また昇段のお許しを頂き誠にありがとうございます。
 実は、空手をやりたいと言ったのは私の友人でした。でも、いつ、どこで、何時からやっているか分からないと言っていたので、 当時道場生だった兄に色々と聞き、体験できる旨を友人に伝えました。その時に、一人だと行きづらいから一緒に行って欲しいと言われ、 あくまでも付き添いのつもりで参加しました。しかし、言い出した友人はいつの間にか来なくなってしまい、どうしようか 悩んでいた時に兄から「色々と覚えて来ると楽しいから、お前もやってみたらいい」と言われ、また、道場生だった甥からも 「一緒にやりたい!来て欲しい!」と言われた事が入門のきっかけとなりました。 でもその時は何もしないよりかはマシか、位にしか思っておらず、黒帯なんて全く目指していませんでした。
 ところが、基本の動作を覚えて行くうちに、兄の言っていた様に楽しくなり、もっと色々覚えたい、もっと上手になりたいと 思うようになり、週2回の稽古では物足りなくなってしまい、稽古日以外に自宅で突きと蹴りの練習をしていました。 そんな私を見た兄が、「他の曜日に他の道場へ出稽古に行けるけど、行ってみる?」と富士本部道場へ連れて行ってもらい、 そこで知治先生と出会いました。 何度か通っているうちに、自主トレに来られていた江澤先生と出会い、「富士川道場の江澤先生だよ」と兄が教えてくれたので、 富士川道場へも出稽古に連れて行ってもらいました。 そして江澤先生が「またいつでも来たらいい。お兄ちゃんと一緒じゃなくても来たらいいよ」と仰って下さったので、自分で行くようになりました。 こうしてたくさんの先生、先輩方に教えて頂く事で大会にも出たいという気持ちが芽生え、選手稽古に参加する事で、自分の中で 向上心が高くなって行きました。
また大会や合宿へ参加する事で新しく仲間が出来、自分の居場所は大石道場だなと思いました。
 出産、育児と少し空手から離れた期間も空手の事を忘れた事はありません。子供達と演武会を見た時、いつかはまた道着を着て あの場に立ちたい、と思ったのを覚えています。
復帰する時も小阪先生は「無理しなくて良い。出来る範囲でやる様に」と仰って下さいました。 こんな風に私にまた空手をやらせて下さり、小阪先生にはとても感謝しています。
 大会で範士に挨拶に行くと、必ず型の評価をして下さり、お褒めの言葉まで頂き、更に「黒帯を取った方が良い。早く黒帯を取る様に」 と2年程言っていただいていたのですが、全く自信の無かった私は2級だった事を理由に「1級を取ってから受けます」と ずっと逃げていました。ですが、仲良くしていただいている先輩が公認審査を受けた時の姿勢、黒帯の姿に感動し、自分も黒帯が 欲しいと思う様になりました。
 私は指導して下さる先生方、先輩、仲間達にとても恵まれています。
黒帯を前に悩んでいた時に背中を押してくれたのは、唯一の富士宮道場の先輩である中山ルイス先輩でした。 会えていない時が続いていても気に掛けて連絡をくれ、沼津総本部道場へ連れて行って下さいました。 色々アドバイスもして下さいました。そして「基本はしっかりできていますから、自信を持って下さい」と言ってくれた事で 受審を決意しました。仲良くしていただいているマスターズ女子の仲間の方々に決意した事を報告すると「私達に出来る事があれば協力します」 「頑張ってください。応援します」等、温かい言葉をたくさん頂きました。とても嬉しかったです。 自分が最後まで諦めずに出来たのも、皆様の支えがあったからです。
 組手が苦手な私に10ラウンドの練習に嫌な顔せず付き合ってくれた先輩方、本当に感謝しています。ありがとうございました。 でも、一番感謝しないといけないのは、こんなわがままな私の帰りを待っていてくれる家族です。支えてくれる子供達です。

 今まで私が受けてきた恩を今度は後輩達に、仲間達に返して行こうと思います。
 また、これまで御指導下さった小阪先生のお手伝いをして行こうと思います。
 大石道場へ入門して、空手の技術以外の事もたくさん学びました。大石道場生で良かったです。今後精進して参ります。
 この度は誠にありがとうございました。

 押忍