入門する時に大石主席師範に言われたことが、『素質がある者もない者も、10年やれば空手らしくなるからそのつもりで入門して下さい』でした。
小学校1年生で入門し、始めたばかりの頃はとても楽しく一生懸命頑張っていましたが、少しすると稽古が辛くなり、だらだらと練習するようになりました。
自分は道場の中でもとても弱く、年下にもボコボコにされていました。
周りの友達はみんな入賞している中、一人だけ1回戦負けや2回戦負けが殆どでした。
自分は弱いから地味に空手を続けよう、いつか黒帯になれればいいなと思っていました。
だらだら稽古をしていた自分が変われたきっかけがありました。
5年生の時に静岡北道場の人に手も足も出ずボコボコにされてしまいました。
それからは大石師範の教えどおりに基本稽古と型をひたすら一生懸命やりました。
するとだんだん組手も上達し強くなっていき、手も足も出ずにボコボコにされた相手にリベンジできるかもと思っていました。
そして、リベンジできる日がやって来ました。
お互い勝ち進み、試合が始まり延長まで行きましたが、上段廻し蹴りをもらい“技あり”を取られ、また負けてしまい、とても悔しくて泣いたのを覚えています。
その後、道場の稽古日数が増え、同じ時期に一般部の稽古にも参加するようになり、練習回数が増えました。
ですが、特別な練習方法は何一つせずにひたすら基本稽古と型を練習し、スパーリングでは先輩に技術と根性を指導してもらい、特に根性は強く叩き込まれました。
それから少しして再度リベンジするチャンスが来ました。試合が始まり、途中で心が折れそうになりましたが、先輩に教えてもらった根性でやっとリベンジを果たすことができました。
この根性は今回の10人組手でも最も頼りになり、自分の宝物だと思っています。
そして今回初段を頂きました。
入門してから約12年掛かりました。
師範の『10年やれば空手らしくなる』その言葉どおりになったか分かりませんが、黒帯になることができました。
これからも大石師範に教えてもらったことを守り、いつものように基本稽古と型を更に一生懸命やり、後輩に大石師範や先生・先輩に教えてもらった
ことを伝えて行けたらいいなと思っています。
最後に、大石主席師範をはじめ師範・先生・先輩方、そして大石道場の皆様、これまで本当にありがとうございます。
これからも宜しくお願いします。
押 忍
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