金井 啓立 初段(加古川道場指導員)
〜2022年03月06日取得〜


 
この度、公認審査会を受審する機会を頂き、大石範士に心より感謝申し上げます。 そして、公認審査会へ送り出して下さいました吉崎支部長にも心より感謝申し上げます。

 私と極真空手の出会いは、社会人になってすぐの約30年前に遡ります。 ようやく少年の頃からの憧れであった極真空手への入門が叶いましたが、一日の仕事を終えた後に、緊張を強いられる稽古に参加することが徐々に苦痛になり、わずか1年余りで退会してしまいました。
 その後は仕事が忙しく出向や転勤、転職などもあり、空手や体を動かす事とは無縁の生活を送っていましたが、今から11年前、たまたま読んだ自己啓発の書物をきっかけに何か武道を始めようと思い立ち、周辺の道場を探すことにしました。
 しかし、多くの道場が平日に稽古日を設定しているため、帰宅時間の遅い自分には難しいと諦めていたところ、自宅近くにある極真空手の道場が土・日にも稽古を行っていることを知り見学に行きました。
 入門を決めるにあたって、40歳代も半ばに差し掛かり体力的に不安でしたが、応対して下さった吉崎支部長から「うちは組手の強さだけを求める道場ではありません。基本、型を重視し、年齢に応じた稽古を行っています。」との説明を受けて入門を決意しました。
 入門当初は基本稽古の手技だけで息が上がってしまい、稽古についていくのがやっとの状態でしたが、大声を出して体を動かした後の爽快感や達成感が素晴らしく、気合や汗と共に体から邪気が抜けていくような感覚を覚えて、若い頃には感じなかった空手の魅力に取りつかれてしまいました。
 また、道場で様々な年代や職業の方と知り合うことが出来たことは、今まで仕事関係以外の付き合いがほとんど無かった自分にとっては大変良い刺激になりました。
 ただ、元々センスが無いことを自覚しておりましたので、昇級には全く興味が無く、将来黒帯を目指すことになるとは夢にも思っていませんでした。  今回昇段審査のお話を頂いた時は、「自分には無理」と思い悩みましたが、甘えた考えを断ち切る機会であり、先延ばしにすると年齢的にも厳しくなる一方だと考え、受審を決意しました。

 昇段審査当日は、緊張から足が地に付いておらず、型ではミスを連発し、十人組手も二人目の時点で完全に息が上がってしまい「もうダメだ」と諦めそうになりましたが、対戦相手の先生、先輩方が小声で励まして下さり、なんとか最後まで立っていることが出来ました。この場をお借りして御礼申し上げます。
 そんな不甲斐ない審査内容でしたが、これが今の私の真の実力であると改めて認めることが出来ましたので、受審を決断して本当に良かったと思います。
 今回、なんとか昇段を許されましたが、これから極真の黒帯に相応しい素養を身につけるため、常に目標を掲げ、日々稽古に励み精進していきたいと思います。

 最後になりますが、こんな私がここまで空手を続けられたのは、兵庫支部の充実した道場設備と、吉崎支部長を始め、指導員、先輩方の丁寧なご指導、そして、一緒に汗を流す加古川道場の皆様の助けがあったからこそです。 本当に有り難うございました。今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。

押忍