鴨田 恵 初段(レオリブレ道場)
〜2016年03月13日取得〜


 
私は、5歳の保育園の年長の時、当時小学校2年生だった兄と一緒に空手を始めました。

 始めた頃のことはまだ小さかったので覚えていませんが、橘先生に注意されて、めそめそしているような子だったそうです。

 そのうち兄が試合に出るようになり、私も出るようになりました。私は体も小さく、試合に出ても全く勝つことができませんでした。吹っ飛ばされて試合にならなかった私に当時の対戦相手だった子が「恵ちゃんまた次もでる?」と声をかけてくれました。私は驚きました。その子は、私のことを対戦相手として認めてくれたのです。試合に出ることで勝ち負けではなく、そこに立つまでの経緯、勇気をちゃんと知っていて私を励ましてくれました。今でもとても感謝しています。その子がいなければもう試合に出ることもなかったかもしれません。

 橘先生から審査のお話を頂いたときに、何の実績もない私に黒帯はまだ早いのではないかと思いました。しかし、いつも先生が「チャンピオンだけが黒帯になれるわけではないし、地道に続けることに意味がある」と話されているのを思い出して、私も挑戦してみようと思いました。それからは審査へ向けて毎日、ランニング・坂道ダッシュ・ミット10ラウンド・補強を続けました。橘先生と昇段審査へ向けて、休みの日にも稽古を一緒に行っていただきました。先生の50人組手の稽古を見て、私はたった10人なのだという気持ちも湧いてきました。

 本番当日は、大石範士の号令、たくさんの道場生、観衆の前で行い、今までにないくらい緊張しました。10人組手は、絶対に下がらないで相手に向かっていこうという思いを持って臨みました。しかしいざ始まってみると強い相手からのプレッシャーからか思いっきり行くことができませんでした。でも何人かやっていくうちに精一杯相手に向かっていくことができました。相手をしていただいた方たちからも途中途中で励ましの言葉を言っていただいて、なんとか10人達成することができました。

 最後になりましたが、大石範士、小さい頃からご指導いただいた橘先生、これまで出稽古でお世話になったたくさんの師範、先生、先輩方、対戦相手をしてくださった皆さん、応援してくれた道場生、父兄の皆さん、そして家族に感謝いたします。ありがとうございました。今後はより一層稽古に励み黒帯の力を持てるように頑張っていきます。これからも宜しくお願いします。

押忍