藤田 秀一 初段(函南道場所属)
〜2006年11月26日取得〜

極真空手に導かれ

 私が極真空手を始めたのは約5年前ですが、極真空手を始める前は、今の自分のままで良いのか、この様な自分が子供達の父親であって良いのか、と悩んでいました。それまでの自分は、何事も中途半端でしかも、楽な方へ楽な方へ逃げてきた人生であった気がします。その様な自分を変えたい。精神的にも強くなりたい。父親として何か一つでも誇れる物が欲しい。そう思って入ったのが極真空手でした。空手の中でも、極真空手は寸止めと違い直接打撃制であり、稽古もきつく、実力は他流派の初段が極真の緑帯に相当すると聞いていました。稽古はやはり、想像以上に辛いものでした、途中、大きなケガもあり、何度も「もう限界かな。辞めれば楽になるかな」などと思ったこともありました。また、試合や審査の時はとても恐くて、逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。そのような弱い自分をいつも救ってくださったのが、大石代悟主席師範のお言葉でした。「試合は勝ち負けではない。試合に出ようと思って稽古した時から、自分に勝っているのだよ」「審査はその人の一生懸命さを見るのだから、、失敗を恐れずにとにかく一生懸命やりなさい」などの主席師範のお言葉は、その度に私に勇気を与えてくださいました。そして、目標目指して努力する事が、いかに大事で尊いことかを教えてくださいました。
 そして、そのような私がついに、十人組手を完遂し、昇段させていただくことになりました。5年前の私から考えると、黒帯は遥か遠くの夢でしたが、今ようやく一つの夢を叶えることが出来て、とても嬉しく思います。
 このように私は、極真空手から「人生で歩んでいく上で大切な事」を教わり、また極真空手によって自分自身を大きく成長させることが出来たような気がします。そして現在、極真空手で培った精神や経験は、父親として・社会人として私の心の支えとなって役立っております。極真空手に出会い導かれなければ、今の自分はなかったでしょう。
 「千日を以って初心とし、万日を以って極みとする」という言葉がりますが、この言葉から考えると、今の私はまさに空手の初心の域であり、これからが本当の空手の修業だと思います。黒帯を取っても今の自分に満足することなく、日々努力精進し、少しでも自分を高めていけるように頑張りたいと思います。また、自分を導いてくれた極真空手の発展に微力ながら尽力できればと思います。
 最後に、私がここまで来れたのは、いつも勇気を与えてくださった大石代悟主席師範、自分をここまで温かく見守り育ててくださった高橋先生、稽古に付き合ってくださった道場生の皆さん、応援してくださった父兄の皆さん、そして、このような自分を理解しずっと支え続けてくれた家族のおかげであり、皆さんに支えられてきたからこそ、今の自分の姿があるのだと、改めて感じています。心から、感謝申し上げたいと思います。
                                               押忍