田中 秀弥 初段(三島本部道場)

〜2010年3月07日取得〜

 この度は昇段審査の機会を与えて頂きました大石最高師範に深く御礼申し上げます。

 私は四歳から小学校卒業まで剣道、高校では他流派の空手を学んでおりました。ただ、剣道は両親の意向で、高校の空手に関しては『極真空手』の存在は知っていたものの近くに道場が無かったこともあり、他流派の空手で満足していました。今から考えますと本当の強さを追求するのではなく、単に空手をやっていることのステータスを求めていたように感じます。ただ、心のどこかで『極真空手』に対する憧れというものは残っていました。

 極真会館へ入門したきっかけは2001年の秋でした。単身赴任での不規則な生活から解放されたものの、今でいうメタボ状態になってしまい何とか脱却したい想いと、息子の習い事として礼儀を学べる武道を探しておりました。そんな時、高校時代に憧れでもあった『極真空手』が三島にあることを知り、息子には強くなって欲しいと三島本部へ何回か見学に行かせて頂きました。その時、大石道場の方針である『武道は技を磨く事はもとより、人格形成の確立を目指すこと』及び、岡部先輩の『自分の気持ちに正直になる』という指導方法に共感し親子で入門させて頂きました。

 入門当初はあくまでも息子がメインで、私はダイエットができればという軽い気持ちでした。しかし、審査会や試合を見学した際に同じ年代の方々が大勢居ることはもとより、強くなるために本気でやっている姿に刺激され、高校時代に中途半端にやってきた空手に対してもう一度真剣に取組んでみようと思いました。

 それからは各種イベントへ積極的に参加して、身体的及び精神的に鍛錬を重ねてきました。2年前ヘルニアの手術で2ヶ月程ハードな稽古は出来ず休会を考えることもありましたが、常々大石最高師範の言われている“あきらめない心”を思い出し何とか継続して稽古を続け現在に至ります。

 今回の昇段審査への許可を尾高先生より連絡を頂いた時には喜びと同時に恐怖心を感じた事を覚えています。ただ、この『十人組手に挑戦すると決めた時点で自分に打ち勝っており、極真の黒帯はどんな色にも染まらない筋金入りの人間になること』という大石最高師範の言葉を胸にその後の稽古に励みました。

 昨年から型の審査稽古から引き続いての十人組手の稽古を、平日は出稽古に行けない私の事情を御理解していただき、毎週末休日返上で稽古に御協力して頂き御指導していただきました先生・諸先輩に大変感謝しております。

 公認昇段審査会では基本→移動→型→補強と続き、この時点でかなりスタミナを消耗しておりました。その後の十人組手では、三人目の対戦者あたりで心が挫けそうになりましたが、先生・諸先輩・少年部・ご父兄の皆様の応援に背中を押して頂いたことで十人組手を完遂出来たと思っております。

 最後に黒帯取得に至るまで懇切丁寧に稽古をして頂きました大石最高師範を始め、尾高先生、三島・原地区の諸先輩や道場生の皆様方には心から感謝しております。本当にありがとうございました。

 今後は初心を忘れる事なく極真の黒帯として努力し精進すると共に、私がこれまで教えて頂いた事を後輩達へ伝え、大石道場が今後更なる発展をしていくよう微力ながら貢献し、少しでも恩返しをしていきたいと思っております。

押 忍