江澤 正治 五段(富士川道場責任者)
〜2023年03月05日取得〜

 富士川道場 江澤正治

 

 この度は昇段のお許しを頂きありがとうございました。

 前回の昇段審査から16年が経ちました。振り返るとこの16年間で自分はどの位成長したのかと疑問に思いながらも週3回の指導と短時間ではありますが日々の稽古は行っていました。強さへの憧れは今も入門当時と変わりません。しかし、この間自分は何を目標にし何に向かって日々を過ごしていたか?道場生には目標を持って稽古する事が大事だと言っていますが自分の目標はと聞かれたら?大石範士が常におっしゃる事で、「昇段したら数年後には次の段位を目指さないと今の段位の力を保つ事は出来ない」その意味は何となくの稽古を行なってても強くならない成長しない事だと分かっていながら色々な理由を付けて楽な道を進んでいました。5年前に範士から受審するよう言われましたが、この時も楽な道を進んでしまいました。「楽な道を選んで楽になった者はいない」 「苦しい道を選んで苦しくなった者はいない」範士のこの言葉を自分に言い聞かせ今回の審査に挑みました。

 審査の為の審査用の稽古ではなく通常の道場稽古の中で基本動作の大切さ必要性を意識し、型の中では実戦を想定した技、動きを組手に活かせるように、また組手では少年部と本気で向かい合い機敏な動き、力の強弱、足運び等を重視し無駄な動きを無くす稽古を行いました。筋力トレーニングも必要としましたが途中肩、肘を痛めてしまい思うように出来ませんでしたので最低限必要な筋力トレーニングだけにし本来の空手の稽古を優先しました。組手も稽古法も年齢に合ったやり方が大切だと感じました。審査当日は沢山の方からお言葉をかけて頂き、また応援に駆けつけて下さった方には大きな力を貰いなんとか終える事が出来ました。組手では45人目位から足が硬直し踏ん張る事も出来ず最後は悔しい思いをしました。

 これからは空手だけではなく、人としても模範にならなければなりません。ここからが本当の修行だと思い、日々努力、精進して行きます。

 押忍