吉崎 英子 弐段(加古川道場)

〜2009年5月10日取得〜

 この度、弐段受審の機会をお与え下さいました大石最高師範に心よりお礼申し上げます。

「道場に弐段がいないのでは良くないですよ、頑張って受けてみなさい」とお言葉を頂いた時は、 「イエ・・・私なんか未だ・・・」と、お返ししてはいけない返事をしてしまいました。
最初は青帯までだけ頑張ってみようと始めた空手だけに、弐段の帯は重すぎる、大それた事と深く考えていませんでしたが、 師範のお話をお聞きする機会が増えるにつけ、諸先輩、先生方の書かれたレポートを 拝見して、歳だから・・・と甘えてはいられなく、 真剣に見つめ直す時が来た事を痛感しました。 半年後「受けさせて頂きます」と申し入れた私に「風邪を引かないように体調を整えて挑んでください 」と 細やかな心配りのお言葉を頂き、それを励みに、わずかな時間を作っては必死で型稽古をしましたが、 思った以上に動きや手の置く位置が容易でなく、何度も間違い、逃げ場のない壁に当たっては“やはり1年延ばそう”と、 何度も師範への電話に手をかけましたが、「自分に負ける事になる」「あきらめない心を持つ事を、伝える事のできない価値の無い 指導員になってしまう、自分の心が試されている時」と思いとどまり、この日を迎えました。

いくら軽く相手をしてもらえても、60歳を過ぎてからの20人組み手! いつもより念入りに台所を片付け、神棚に手を合わせ、もし帰れなくても自分の選んだ道、と心に決め挑みました。

一人で行う型はいつもの道場なのに、体だけがそこに有り意識は宙に浮いている状態の中で終わり、 師範の「20人組み手を行います」のお声が聞こえたとき、我に返りました。 10人目を越えた頃には辛くて“止めてしまいたい”“ひざを着くだけで終わる”“簡単な事だ” との 思いが何度も頭をよぎりましたが、可愛い声援と相手一人一人の励ましの言葉に心が洗われ、 今止めたら今までの辛かった事が無しになってしまう!の思いが体を動かしていました。 こんなにも人の眼を気にして一生懸命になれた事、出来そうにない事へ挑戦した事、 このすばらしい達成感を、空手を志す全ての道場生に体験して欲しいと思います。
「為せば成る 為させねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」と、 ありきたりではありますが、 迷ったときに背中を押されて来た言葉です。 大石師範の教えを忠実に守り、遅まきながらもすばらしい大石道場と出会えた事を誇りとし、 極真空手 の普及と大石道場の発展に力添え出来るよう、精進に努めてまいります。

最後になりましたが、いつも力強く道場を支えてくれている指導員の皆様、 一緒に稽古をして頂き、ありがとうございました。
皆様のおかげで一足早く弐段を頂きました。心よりお礼申し上げます。
応援してくれた道場生、並びにご父兄の皆様、ありがとうございました。 帯の色に負けない強い心を持ち、更なる修行に精進いたします。


押 忍