出射 敬 初段(河口湖本部道場所属)
〜2006年8月27日取得〜

 私が入門したのは約九年前、会社の先輩でもある廣瀬先生からの薦めでした。健康のために何か運動をやりたいと思っていたので、ほんの軽い気持ちで入門しました。常設の河口湖本部道場ができる前、仕事の都合で合同稽古に参加できなかった私を、廣瀬先生が毎週日曜日富士吉田の小さな道場において、マンツーマンで指導してくれました。入門当時、自分が黒帯を取るまで続けられるとは夢にも思いませんでしたが、このときの稽古で培った精神力が、どんな苦難にもめげず黒帯を取るまでに至ったと思います。
 また、昇段審査を受けるにあたり家族の協力もなくてはならないものでした。家庭が大変な時でも快く稽古に行かせてくれた妻に心から感謝します。
 昇段審査に合格するまで約二年かかりましたが、この間、大石主席師範より沼津本部道場で直接型のご指導を頂いたこと、審査の時指導者としての心構えに通じる多くのお言葉を頂いたことが非常に勉強になり、私の財産となっています。

 十人組手は夏の審査会で行いました。「下がらない」「苦しい顔をしない」「しっかり立って相手に礼をする」という心構えで挑みました。実際には予想以上に厳しく、三人目ぐらいで息が上がりました。その後は打たれるばかりでしたが、周りの応援に助けられ、最後は精神力だけで戦い抜き、完遂することができました。満足のいく組手ではありませんでしたが、終わった後の清々しい気分は今でも忘れません。
 黒帯になったとはいえ、まだまだ未熟者です。初心を忘れず、後輩への指導を通じて自分も成長し、大石道場の黒帯を汚すことのないよう精進していく所存です。
 最後に大石主席師範、廣瀬先生はじめ多くの先輩方に心から感謝いたします。

                                        押忍