朝比奈 久美子 初段(大井川道場)
〜2014年03月02日取得〜


 この度は、昇段審査を受けさせていただきありがとうございました。 私が極真会館大石道場へ入門したのは1996年1月のことです。 私は先天性股関節脱臼という病気でしたので、学生の頃は体育以外の運動はしたことがありませんでした。それなので私の口から「極真空手に見学に行きたい。入門したい」との言葉は両親にとって驚きと反対以外の何物にもなかったと思います。ですが私の決心は固く焼津道場へ入門させていただきました。 焼津道場の稽古は厳しく、心が折れそうな時もありましたが、両親の反対を半ば強引に押し切って入門した手前投げ出すことはしたくありませんでした。そして、どんなに弱い気持ちになっても、頑張ってこれたのは池谷正好先生と大石和美先生、諸先輩方のおかげだと思っております。
  そして、4年が過ぎた頃、結婚・出産のため、焼津道場を退館しました。しかし、子育てが落ち着いてくると極真空手の中でやり残したものがあると感じ、大井川道場に再入門させていただきました。 しかし、何年も空手から離れていたのでみんなと同じように稽古するのはとても大変なことでした。気持ちと体がついていけず、空回りすることもあり、情けなくて悔しくて家に帰ってから誰にも知られずに泣いたこともありました。 そんな弱さを克服するため、普段の稽古に加え、強化稽古にも出させていただきました。 黒帯や上級帯の一般部、どんどん強くなっていく少年部に囲まれ、進歩しているかわからない自分。自分だけが場違いで、強化稽古の質を落としているのではないかと何度も自己嫌悪に陥りました。しかし、再入門した時の気持ちを思い出し「私には後がない。1つずつでも乗り越えていこう」と気持ちを切りかえ続けてきました。
  そして、試合も経験しました。焼津道場にいた頃は他人事だと思っていたのですが、大井川道場では、みんなが試合に出ていました。 少年部の「自分よりも体の大きな子に向かっていく姿」、「何度倒されても起き上って向かっていく姿」は、私に勇気を与えてくれました。私も試合に出てみようと決心したのもその時です。
  そして、試合の経験も積んで、先生からの勧めもあり公認審査を受審させていただくことになりました。10人組手は、今までやってきた事を全て出し切ろうという思いで臨みましたが、体が思うように動かず何度も諦めそうになりました。 しかし、主審をやってくださった大石和美先生の励まし、道場生や女子部の方々からの応援が私の背中を押してくれました。周りの方々からの声援のおかげで最後までやりきることができたと思っています。 今回、このような経験をさせていただき、自分自身の未熟な部分を知ることができました。これからはその1つ1つを克服し、真の黒帯になれるよう、そしてこれらの経験を後輩たちに伝えられるよう精進していきたいと思います。

  最後にこのような機会を与えてくださった大石最高師範ならびに先生、諸先輩方。また、応援していただいた道場生や父兄の皆様、そして、家族に感謝の気持ちを申し上げます。 ありがとうございました。    

                             
押忍

大井川道場  朝比奈 久美子