青木 美稚子 弐段(清水南道場)
〜2009年2月15日取得〜

 


 去年2008年2月の公認審査会で清水南道場責任者である杉本先生が参段に昇段され数日たったある日、大石師範よりお電話をいただき、私も2009年の公認審査会に挑戦するよう勧めていただきました。
 私のような、空手も人間としても未熟な者が果たして弐段に挑戦しても良いのだろうか?私よりも先輩の初段の方がたくさんいらっしゃるのに私が受審しても良いのだろうか?まだ早いのではないか?と心の中では葛藤が続きました。
 杉本先生をはじめ身近な先生方に相談にのっていただくと、どの先生も「大石師範に選んでいただいたのだから、自信を持って胸を張って受けたらいい。声を掛けて下さった大石師範のために頑張ればいいんですよ。」とおっしゃって下さいました。

 家には、思春期で難しい時期の高校生の息子がおります。なるべく夕飯は一緒に食べるよう努力しておりましたので、週2回の道場稽古と息子が部活から帰宅するまでの時間を使い、三保体育館の武道場を借りて夜1人で型の稽古をしたり家で補強をしたりと、自分の置かれた環境の中で出来る限りの努力をしました。
 そんな状態の私に、今回の公認審査会にて師範になられた海野先生が、竜南道場で12月と1月に1回づつ、公認審査会と同じメニューの稽古を行うから、といって参加するよう声を掛けて下さいました。声を掛けていただいた事、私にまで親身になって指導して下さる海野先生のお気持ちが有難くてしかたありません。
 その2回の稽古を経験させていただいて、少しづつ自信がつき、私は、大石師範のため、清水南道場のため、海野先生をはじめ海野一家の皆さんのため、もっと強くなって欲しい息子のために頑張ることを決意しました。

 審査当日は、基本・型・組手・不動立ち・返事・気合い・座っている姿勢など全てを全力で行なったつもりですが、組手が思ったよりも身体が動かず、強い攻撃のひとつひとつに一瞬身体が止まってしまい、心にも余裕がないまま終わってしまい、自分に対してとても悔しい、ただただ悔しい思いです。
 ですが、ここで悔しい思いをさせていただいて良かったのだと思います。組手終了直後から、『もっと稽古をしてもっと強くならなければ』と思え、次の目標に向かっていく強い気持ちが湧いて出てきたからです。
 苦しい思いをして黒帯や弐段になるのだ、真の黒帯になるのは大変なのだという事を後輩達も感じてくれたことと思います。

 これからもこの日の悔しさを忘れず、もっともっと強くなり、極真会館の弐段として恥ずかしくない人間になるよう精進していきます。
 そして大石道場の武道の空手を通じて、少年部は社会に出た時に通用する人間に、一般部は今いる職場等で認められ必要とされる人間になれるよう、自分の経験からできる厳しさの中にも愛のある、親身になってあげられる指導をしていきたいと思います。また同じ親として少年部の父兄とも共に成長していき、指導員・道場生・父兄が一丸となってすばらしい清水南道場にしていきたいと思います。

 当日まで道場や職場で支えて下さった杉本先生、応援に来て下さった清水南道場の皆様、海野師範をはじめ海野一家の皆様、一緒に稽古をしていただいた先生方、私の周りの全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
 そして、大石最高師範、当日は厳しく叱っていただきましてありがとうございました。


押 忍