吉田 紹男 初段
(西平松道場指導員)
〜2023年03月05日取得〜


 
はじめに、この度公認昇段審査会を受審させて頂き大石範士には心より御礼申し上げます。 また師範方、先生方、先輩方、10人組手の相手をしてくださった皆様にも御礼申し上げます。

 私が極真空手に入門したのは今から10年前の事ですが、道場に関わったのはそれから遡る事11年前になります。当時長男が入門し、次男、長女と入門させていただきました。そして長男は黒帯を取得するまで成長し、子供達は人間的にも大きく成長させていただきました。当時父兄だった私は「極真空手にはきっとなにかあるんだろうな」と思って子供達の成長を見ていました。その後、子供達は大学進学や就職で空手を続ける事ができなくなりましたので、このままでは極真空手に関わる事ができなくなると思い、「ならば自分が入門しよう」と思い入門させて頂きました。私は元々体が硬かった事もありますが、子供の頃のケガで動きづらい箇所があり、稽古は想像以上にきつかったです。稽古後は体のエネルギーが無くなってしまったような感じになりました。これは初めての経験でした。

  しばらくして稽古に慣れてはきましたが、今度は基本稽古、型がなかなか覚えられず苦労しました。途中からは心のどこかで「昇級どころか昇段なんて無理だ」と思うようになっており、「稽古を一生懸命やる」事しかできませんでしたが、縁あって第1回世界大会に出場させていただきました。大会に向けての自主練がオーバートレーニングとなり、またケガの再発等で歩くのも大変になり1年半の間空手ができなくなりました。それと重なるように通っている道場が無くなると聞いて「体も治らないし、空手はもういいかな」と思っていましたが、そのころ橘師範より「西平松に大石道場直轄の道場ができるから、一緒に稽古しましょう、黒帯目指してがんばりましょう」とお誘いを受けました。その時に「黒帯は目指して稽古しているからこそたどり着ける。止めたらどんなに優秀でもたどり着けない」と思い、黒帯取るなら大石道場と決めていたので、ケガが完治してからお世話になりました。

 物覚えが悪く不器用な自分を西平松道場の橘師範、尚弥先輩、尚人先輩は夜遅くまで体の使い方、動作の意味、型をひとつひとつ丁寧に教えてくれました。本当に感謝しかありません。「こんなに一生懸命教えて頂けるのだから、師範達の顔に泥は塗れない」と思い必死に練習をしました。

 審査会当日は海外からも参加者、見学者がありとても緊張感がある審査会でした。自分は「最初から全力で全てを出し切る!ダメになったらそれまでの実力」を信念に受けさせて頂きました。審査会を受けると決めてから悔い無く練習できていたので、当日は不思議と緊張せず、全力で積み上げて来たものを出し切れたと思います。

 こうして私が初段を許されたのも、橘師範、尚弥先輩、尚人先輩、西平松道場の先輩、後輩達、父兄の皆様、そしていつも支えてくれる妻、子供達の応援や後押しや協力があったからこそです。初段は一人では取得できないとあらためて感じました。 本当にありがとうございました。入門して10年。初段とは最初の段。やっと極真空手の土台に乗る事を許された気がします。これからも更に上を目指して、大石道場の黒帯の名に恥じぬよう精進いたします。

押忍